魔物使いの都市とは?

「うーん、美味いっ」
エルフの集落と間違えて、イスピーナまで来てしまったことを悔やんだのも一瞬、
ミートとクリーム、そして独特のスパイスが利いた、
名物「イスピナパイ」を食べる頃には、すっかりそんなこと忘れてしまった。

パイのおかわりを五回ほど終えた後——
「あれ?食いしん坊のアンタは魔物使いじゃないの?」
隣の席に座っていた、魔物を連れた女の人に声をかけられる。
「ん、魔物使い?」
「えっ、まさか魔物使いを知らないの?」
そう言えば、書物に載っていたような気もするけれど…。
「俺は、ここからずっと先のポートシャーロットから旅をしにきているんだ。だからあまり詳しくなくて…」
「ああ、そうなのね」
俺の言葉に、女性はやや誇らし気に言葉を続ける。
「それなら教えてあげるわ」

「魔物使いってのはね、魔物と心と通わせることが出来る特殊な能力を持つ者のことを言うのよ」

挿絵1

「魔物を育てて、ともに戦う仲間とするのが魔物使いの役目なの」
女性が隣にいたワーグを一撫ですると、
ワーグはまるで忠誠を誓うかのように、女性にそっと擦り寄った。
「あなたも、魔物使いなんですか?」
「ええ、そうよ」
確かに、連れている魔物と女性との間には強い信頼関係があるように見える。

それにしても———

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