はじめての戦闘

目の前には、ぐるるっと唸る狂犬ワーグ。
後ろにはゼリーと妖精と、自分。
―――こういう時、どうすればいいんだっけ?
考えるよりも先に、身体が答えを示していた。

「あっ、ちょっと待ってよ…っ」
「逃げるが勝ちだ、みんな来~い!」
ワーグは、当然と言わんばかりに全速力で追ってくる。
こんなことなら普段からもっと必死に走っておけばよかった。
疲労からか、身体がだんだんと重くなっていく……。

「って…ゼリー。こら、頭に乗るな~!」
バテてしまったらしき赤色のゼリーが頭の上に乗って、
その重力が余計に歩みを遅くする。
「わああっ」
ナイスアイディアと言わんばかりに、
青と緑のゼリーもぴょーんと頭に乗った。
「ばかばかっ、お前たち共倒れになるぞ!」
(ああ、追いつかれる……!)
「きゃぁ!」

挿絵1

覚悟を決めて目を閉じた瞬間、フェアリーの叫び声がして振り向く。
ワーグは、満足そうに立ち止まっていた――
「わ…わぁ…」

―――フェアリーのスカートを噛んで。

「どーして私なの?そしてどーしてそれなの!?」
「うーん。スカートだから…、ひらひら動くものに弱いんじゃないか?」
「それって、犬っていうより牛じゃないの?
……ってそんなこと言ってる場合じゃないよ!」

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