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夕暮れの旅立ち

「やった、開いた…!!」
盗賊頭から抜き取った鍵は、かちゃ、という気持ちのいい音を響かせた。
当の盗賊頭本人は―――
ウォーターピラーを何度も直撃して完全に伸びている。

「起こさないよう静かに、でも急いで…!」
素早く妖精たちを檻から出し、盗賊たちのアジトを抜け出した。

「うわぁ……!」
暗い洞窟から外へ出ると、燃えるような橙の夕日が差し込み眩しい。
「いつのまにか、ゆうがたになってたの…?」
驚くクーさまの横顔に西日が差して、茜色はゆっくりと広がっていく。

「クーさま!みんな無事だよ~」
「よかった…!くらくなるまえにイスピーナの森にもどろ」
「それじゃあ…俺も一度イスピーナ街に戻るかな」
一人では、さっきみたいな盗賊頭の大男、とても倒せる気がしない。

挿絵1

「それじゃあ、お別れねっ」
強がるような、つん、としたエリスの声がシャルルに向けられる。
「あんた、ただのヘラヘラしたヤツだと思ってたけど…
思いのほかやる奴だって、認めてあげてもいいわよ」
逸らされた視線の代わりに、わずかに赤く染まる頬が見えて、思わずにやけてしまう。
「ありがと」

「あっ、やっぱヘラヘラしてる…!
認めるのやめよっかな…。リリィとまとめてバカにしちゃおっかな…」

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