救世主登場きゅるん

「もう抵抗しても、無駄だってば」
「早く楽になっちゃいなよ」
これまでの声色とはうって変わって、マーメイドたちの囁きにはもはや悪意しかない。
「なんだか、行く場所行く場所大ピンチだなあ」
「だから!呑気なこと言ってる場合じゃないんだって。
いい加減学習しなさいよ・・・!」
片腕の裾を必死にひっぱりながら、リリィは叫んだ。

ただ・・・悲しいかなその力は弱く、
足元はマーメイドに引きずられて
ずぶずぶと水辺の中へと入っていく。
「ああ、だめかも・・・。リリィ。残りの手記を頼む。
リリィの・・・手記・・・」
覚悟したその瞬間――
「いっけ~~~!!」
愛らしい声と共に頭上に飛んできたのは、
「み、緑ゼリー?」
ついさっき、一撃で飛ばされた緑ゼリーだった。
まるで、ブーメランのように飛ばされて帰ってきた緑ゼリーは、

挿絵1

マーメイドの頭にクリティカルヒットし―――

「きゃあっ!」
崩れ落ちたはずみで、マーメイドに掴まれていた腕が放たれる。
「逃げて!」
チャンスを逃すまいと、必死に走って距離を置いた。

「すらいむ、強いきゅるん!」
高く伸びのある一言が、天井から響いて見上げると、
「すらいむぱーんち!」

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