スライム少女アスレイ

「きゅーるるーん」
水辺でゼリー達と戯れる少女———アスレイを見ながら、
安堵の声を漏らす。
楽しそうに水浴びをするゼリー達の様子を見ていると、
命からがらマーメイドの魔の手から逃げてきたことが
まるで嘘のようだった。

「きみは、このリスチール湿地にいるの?」
「ちがうきゅるーん。とくに決まったすみばしょはないきゅるん」
アスレイは水の流れに載るように、身体をすうっと任せる。
「水のあるところをふらふらり〜きゅるん」
「そうだったのか」

「でも、今は準備のためにここにいるきゅるん」
「準備?」
「もうすぐこのリスチール湿地ですらいむぱーちーがあるきゅるん♪」
「すらいむぱーちー?」
三色ゼリーは、「ぱーちー」という響きに真っ先に反応し、
ぴょんぴょんと大きく飛び跳ねる。

挿絵1

「んっ、知ってるの?」
「ゼリーやスライムがみーんなあつまって、楽しくぱーちーするきゅるん!」
「へえ、仲良しなのねスライムたちって」
木陰で羽を休ませていたリリィが、意外そうな声をあげた。

「力を合わせなきゃいけないきゅるん。
スライムは他の種族とくらべて弱いきゅる・・・」
それまでふよふよと浮いていたアスレイの髪が、やや力なく下がる。
しょんぼりしている、ってことなのだろうか?

1/
ひとつ戻る